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普通に生活している中で、意識することはきっとないと思いますが、スマートフォンにもPCにはIPアドレス・サブネットマスク・デフォルトゲートウェイというものが設定されています。
その設定値を元に、データ通信を行っています。
前途の通り、私たちは普段それを意識していないし、実際意識しなくてもスマートフォンやPCを使用できる仕組みが使われています。
普段のくらしの中で、IPアドレスとサブネットマスク・デフォルトゲートウェイについてよくわからなくても困ることはないと思いますが、仕事をしている中でもしかしたらわからないと困ることがあるかもしれません。
・新しいPCが導入される予定。IPアドレスを設定しなければならないが何を設定すればいいかわからない。
・サブネットマスクを何に設定すればいいかわからなくて、適当に設定してしまったら通信できなくなってしまった。
今回はIPアドレスとサブネットマスクの関係性について説明します。デフォルトゲートウェイについても触れておかなければなりませんがまずはIPとサブネットの関係から話をしていきたいと思います。
この設定でPC1とPC2は通信できるか?
上図のような状況は普通無いと思いますが、PC1とPC2が物理的につながっています。通信できるのでしょうか。
→ 答えはできないです。何故なのか考えていきましょう。
IPアドレスは、内部的にネットワーク部とホスト部という情報で区切られています。
LANの環境で、端末同士が通信できるかはまずこのネットワーク部という情報が一致していることが条件です。これは同一ネットワークという表現になります。
※このネットワーク部が一致していない端末との通信にはデフォルトゲートウェイが必要です。
デフォルトゲートウェイに関しては別記事で説明していきます。
このネットワーク部が一致しているかどうかはサブネットマスクによって解き明かされます。
・LANの中の端末が通信できるかどうかはIPアドレスのネットワーク部が一致しているかどうか(同一ネットワークであること)が条件
・サブネットマスクによってIPアドレスのネットワーク部とホスト部が割り出される。
PC1のIPアドレスとサブネットマスクからネットワーク部とホスト部割り出してみましょう。
◎ネットワーク部の割り出し
まずはIPアドレスとサブネットマスクを2進数に変えていく必要があります。
. で区切られているのでそれぞれのセクション(オクテット)ごとに変換していけばいいです。
PC1のIPアドレス ・・・
10進数:192.168.11.1 → 2進数:11000000.10101000.00001011.000000001
PC1のサブネットマスク ・・・
10進数:255.255.255.0 → 2進数:11111111.11111111.11111111.000000000
サブネットマスクを2進数化すると1がずっとつながっています。IPアドレスとサブネットマスクを2進数化したものを並べたとき、
このつながりが途切れるところまでがIPアドレスのネットワーク部なんです。
つまりIPアドレスを2進数化した → 11000000.10101000.00001011. ここまでですね。
これを10進数に戻すと → 192.168.11. これがIPアドレスのネットワーク部です。
・サブネットマスクとIPアドレスを2進数化して並べて、サブネットマスクの1が途切れるところまでがネットワーク部
◎ホスト部の割り出し
次はホスト部ですが、これはサブネットマスクを2進数化した部分の 0 の部分です。
先ほどのサブネットマスクで0が始まるところをIPアドレス側で見ると
→ 000000001
これを10進数に戻すと → 1 これがホスト部です。
ホスト部の値はそのネットワーク内に一意である必要があります。
ホスト部の2進数化して0がすべて1になる値の一個前とすべて0の値以外はホストアドレス つまり端末に割り振ることができるアドレスとして使用できます。
ホスト部がすべて0のアドレスは “ネットワークアドレス” と呼ばれ、その名の通りそのアドレスのネットワークを指します。
今回で言うと192.168.11.0がネットワークアドレスで、192.168.11.0 255.255.255.0でこのネットワークにはどれくらいの端末が使用できるのかがわかります。
ホスト部がすべて1のアドレスは “ブロードキャストアドレス” と呼ばれ、そのネットワーク内すべての端末へ通信するために使用されます。今回で言うと192.168.11.255です。
・サブネットマスクで0になっている位置がホスト部
・ホスト部のアドレスはそのネットワーク内で一意である必要がある
・ネットワークアドレスは2進数でホスト部がすべて0のアドレス
・ブロードキャストアドレスは2進数でホスト部がすべて1のアドレス
・ネットワーク / ブロードキャストアドレスは端末に設定できないアドレス
●どうしてPC1とPC2は通信できないのか
ということで先ほどの図に話をもどしましょう。
サブネットマスクは同じですが、IPアドレスの第三オクテット目( .で区切った3セクション目)が
違うアドレスですね。どうしてこれではつながらないのか。2進数化してみてみましょう。
ネットワーク部が異なる場合LAN内では通信できません。だからPC1とPC2は通信不可なのです。
上図のようにPC2のIPアドレスを設定変更しました。
ネットワーク部が一致したことにより、PC1とPC2が通信できるようになりました。なお、ホスト部は一意である必要がありますのでそれも変更しています。
サブネットマスクが255.255.255.0 (/24)であれば感覚的にどこまでがネットワーク部ということがわかりやすいかもしれませんが、255.255.255.192(/26)や255.255.240.0 (/20)になってくると普段からなじみのある人でないとなかなかすぐにはわからないと思います。
一度2進数化してどこまでがネットワーク部なのかという手法で考えてみるといいかもしれません。
サブネットマスクを / 表記へ変換するExcel関数を以下の記事で紹介しています。ぜひご覧になってみてください。
サブネットマスクの表記を変換するExcel関数
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